• 公開日:2020/02/08(最終更新日:2022/04/08)

退職代行の非弁行為ってどういう場合?退職代行を使うリスクについて解説!

退職代行の非弁行為って何?どんなこと?

近年、退職代行サービスの使用が話題となっています。

実はこの退職代行サービス。2010年頃には既に弁護士の業務として登場していました。

当時はそこまで知名度はありませんでしたが、2018年頃から様々なメディアに取り上げられたことによって世間に広く知られるようになりました。

そして急速な普及に伴い、「退職代行業者は法律的にグレーなのではないか?」という意見も見られるようになります。

退職代行について調べていて、違法だとか、法的にグレーだという意見を見てしまうと不安になりますよね。

退職代行を利用する際に知っておくべき、非弁行為となるのはどういった場合なのかについて見ていきましょう。

退職代行が行うサービス

退職の代行

結論を言えば、基本的に退職代行は違法ではありません。違法ではないかと囁かれる原因は非弁行為にあります。

退職代行が行うサービスは、退職の申請を本人に変わって行うことです。

ここに違法性はありません。

ではなぜ違法性が囁かれるのでしょうか?

なんで退職代行が違法と言われる?退職代行ではできないこと

一般企業が行うことのできる退職代行は、退職の意志を伝えることに限られます。

会社と退職条件について交渉を行ったり、法律相談を受けることはできません。こういった行為が”非弁行為”となります。これは違法行為です。

非弁行為って?

(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

引用元:弁護士法第72

要約すると、

弁護士の資格を持たないものが報酬を目的として、法律相談や第三者の代理を行うことです。

退職代行サービスでは、退職の意志を会社に一方的に伝えることができます。伝えるだけであれば問題はないのですが交渉をすると、その交渉内容によっては非弁行為となってしまいます。

非弁行為となるのは、弁護士資格を持たない退職代行サービスのスタッフが退職金の交渉や、未払いの残業代の請求をした場合です。

会社は退職代行対策をしている

退職代行を使われるような会社は、「退職代行で辞められては困る!」と考えます。当然退職代行対策をします。

退職代行は即日退職を会社に伝えることができますが、会社はこれを拒否することができます。退職代行は拒否された場合にそれ以上の話し合いを行うことはできません。非弁行為となってしまうためです。

会社は辞めることは認めても、即日退職は認めないということになってきます。

非弁行為が認められた場合はどうなる?

会社が退職代行業者の非弁行為を指摘し、それが認められた場合どういったことが起こるのでしょうか。

非弁行為を行ったのは、退職代行業者であり、依頼者であるあなたに罰はありません。

あなた自身が罰金を払ったり罪に問われることはありませんが、非弁行為が認められた場合には業者が行った退職業務自体が無効になる可能性があります。

弁護士【監修】の退職代行

こういった違法行為にならないためにも、退職代行サービスの多くは、法律に詳しい行政書士、社労士、弁護士に監修を依頼しています。監修ということは、依頼を受けて会社に対処するのは、退職代行サービス業者の弁護士資格を持たないスタッフです。

非弁行為を避けるということは、逆を言えば絶対に会社と交渉しないということです。依頼者が残業代を請求したい場合も、退職代行では要望を聞き入れて、会社に要望を伝えることはするかもしれません。会社がすんなりとそれを受け入れた場合であればいいのですが、実際に交渉するとなった場合には、依頼者本人が対応することになります。

会社の人間と顔を合わせないために、退職代行を依頼したのに、結局本人が対応したのでは本末転倒です。

「退職の際に有給を確実に取得したい。」「未払いの給料を請求したい。」「残業代を請求したい。」

そういった場合には、非弁のリスクなしに会社と交渉できる退職代行を選ぶようにしましょう。

非弁のリスクがないのはどんな退職代行?

弁護士が行う退職代行

弁護士資格を持つため、非弁行為となるリスクはゼロです。法律の専門家が直接会社に連絡を取るため、会社との交渉もスムーズに進みます。デメリットを敢えてあげるとすれば、料金が高いという点でしょうか。

通常の弁護士事務所に相談して退職代行を行うほかにも、退職代行を専門としている弁護士のサービスもあります。その場合は料金も比較的抑えられているというメリットがあります。

弁護士が行う退職代行をもっと詳しく

労働組合が行う退職代行

労働組合が運営する退職代行では、利用者が労働組合に参加して会社との交渉を行います。

労働組合は会社との団体交渉権を持っています。会社はこれを拒否できません。会社と交渉して解決したい事がある場合には、労働組合が運営する退職代行もおすすめです。

労働組合が行う退職代行についての詳しい内容はこちら

退職代行は違法ではないが、リスクも考えるべき

  • 退職代行は違法ではない
  • 利用する際は非弁行為に注意!
  • 退職代行が会社と交渉すると非弁行為
  • 非弁リスクゼロで交渉できる退職代行もある

退職代行自体は違法ではありませんが、リスクもあるということを頭に入れておきましょう。リスクを考慮せずに依頼してしまうと、結局損をするのはあなた自身です。退職自体はできても嫌な思いをしないためにも、退職代行業者選びは慎重に行いましょう。